東京濾器株式会社 様/S3219E導入事例
東京濾器株式会社様は「Clean&Saving」を企業理念に掲げ、環境負荷の少ないエンジン機能製品を通して、地球環境に貢献する自動車部品メーカーです。スノーケルのS3219Eをご使用いただいています。
今回は相模第3工場の荒井様にお話を伺いました。
創業70年、全世界に8拠点をもつ自動車部品メーカー
御社の事業内容を教えてください。
弊社は自動車部品メーカーとして、様々な製品の製造に携わっております。特にこちらの相模第3工場は、ガソリンや、ディーゼルのエンジンから排出されるガスを浄化させるための装置を製造しております。私のチームは設備の保全や修繕を担当しています。
修繕とは工場の設備の修繕ですか?
主にそうですね。設備のトラブル対応や改善、メンテナンス、環境保護などになります。
設備の保守だけに関わらず、作業の安全などもお仕事の範囲内ですか?
はい。TPM(トータルプロダクトメンテナンス)活動と言って、トータル保守や総合保全と言われる、全体的な活動を行っています。パトロールなどを通じて工場全体の安全性の向上や6S、環境保護、設備の保守・維持活動を創意工夫しながら実施しています。
先ほどのお話にありました『排ガス浄化装置』は、主に自動車用ですか?
そうです。一部、自動車も有りますが、主力はトラックやバス・建機などです。
御社のような事業をされている競合のメーカーさんはいらっしゃるのでしょうか?
海外メーカーなどがいます。
競合他社もいらっしゃる中で、御社の強みや、特色を教えてください。
国内で生産活動しているという所です。海外でも一部作っていますが、主力を国内で生産し、品質を確保しながら、タイムリーに供給できる所がまず大きな強みです。
相模原だけでも三つ工場がありますね。他には広島などろいろと生産拠点は日本国内でおありになるのですね。
相模だけで三つ工場があります。相模第3工場の社員は50〜60名くらいです。製品を最終形の形まで同じ場所で組み上げられるというところが強みであり、特徴です。
他社さんは海外の工場が中心なのですね。近年様々な海外の問題があって、サプライチェーンで海外に頼っていると中々大変そうですよね。
そうですね。弊社でも一部、中国で生産などありますが、やはり痛手はありますね。ただ主力が日本なので、回っています。
「CLEAN&SAVING」っていうのが御社の企業理念とのことですが、SAVINGっていうのはどのような意味でしょうか?
省エネのことです。
昨今、環境に関しては、規制が厳しくなっているのではと感じますが、いかがですか?
そうですね。規制も厳しくなって、製品もどんどん更新が必要など諸々あります。そして製品だけではなく、我々従業員も含め、安全や、環境的に守られたところで働くことが必要になってきます。良い製品を作っても、エネルギーの垂れ流しや、公害を出すことはダメなので。全ての面を改善していく事が重要となります。
製品の品質だけでなく様々な環境の規制も守らなくてはいけない…。ご苦労がありそうですね。
そうですね。工程も環境に優しくなってるかなど。
既存の設備をいかに良くしていくかは正直難しくて、結構苦労はしてます。新しく設計する場合は、最新の技術や知恵をもらえますが、今ある設備を良くしていく為には、やっぱり創意工夫が求められます。
先ほどのTPMの活動の一環なんですね。
例えば、今までは外注や協力会社にお願いしてた案件を、いかに自分たちで解決してやるかなど。いかに自分たちで対応できるがという工夫してみたり。
後は、我々の保全チームばかりが腕をあげてもあまり意味がなく、実際にもの作りに携わっている社員全員のボトムアップしていく必要性を感じています。例えば車でも何でもそうですけれども、やっぱりかわいがってれば愛車になる。やはり1人1人が意識して行動することで、自分たちの設備は自分たちで守るというのがTPMの根幹にあります。
難しそうですね。
難しい分、面白さも感じています。知恵をいかに出していくか、そしてそれが形になった時に、自己満足なのですが、お金では買えない人生での面白さを感じさせてもらってます。与えられたものではなく、自分達で何とかやっていこう、人のせいにするのではなく、自分たちで解決するんだと、主語を『自分』にして取り組んでいます。
対応されてる方全員のマインドを統一するのは、大変そうですね。
いきなり大きな課題は難しいので、例えば清掃など、日常のことから意識しています。清掃も一つのメンテナンスですよね。そこで気づいた小さなやりにくさを、どうしたら解決するかを考えると、だんだん知恵も出てくる。清掃にも、意外と新しい発見があって、ヒントやアイディアが見えてくる。まるでお坊さんの説法みたいですが…。
人の教育は掃除からという話はよく聞くので、やはり基本中の基本なんでしょうね。
「大難を小難に。小難を無難に。無難を無事に。」のマインドでしょうか。大きくなる前に、小さな時に気付いてるからこの程度で済んでいて、逆にそこで放置しちゃうと大変なことになりますよね。
今まででは考えられないほどたくさんのことができるようなって、社内の作業で完結できることが増えました。
昨年、弊社のS3219E高所作業車を導入いただきましたが、導入される前はどのように作業をされていましたか?
かなりの高所ということで、無理して自分たちでやっていた所もあるのですが、昨今の安全管理の環境を考えると、ほぼ外注業社に頼っていました。
高所で行なわれるのは、具体的にどんな作業なんでしょうか?
まず、設備の修理や配線を這わせるような作業です。例えば配線ラックの上を通すときには、高所作業車でリフトアップして走行しながら這わせなければならなくなります。
あとは設置ですね。水漏れや、配管の少しおかしい部分、錆びているなど、すぐ対応したい時があります。重量物を移動させる際に、今までは一時的に天井の梁を利用してトロリーやチェーンブロックで何とかしていたのですが、導入後は、高所作業車を天井にアクセスして、玉掛け作業が可能になりました。しかも取り外しが可能なので融通も効きます。高所作業車の利用で、安全も確保できるようになりました。作業者はものすごく助かっています。今までは本当に重労働で大変だったのが、感動ものです。他にも、あげればきりがないぐらい事例があります。更に、私たちが出来ない作業も、外注業者さんに高所作業車を貸し出す事で費用削減できるメリットもあります。
高所作業車が入る前は、足場を組んで作業される、外注業者さんに依頼されてたんですか?
どうしても、外注さんになりました。自分達でやれる事もあるのですが、高所作業車がないときは人力でやっていましたね。
コスト面ではどのような変化がありましたか?
正直、費用回収には2年半ぐらいかかるかなと思っていましたが、実際は4ヶ月くらいで回収できました。もっと早くに導入していればよかったです。
レンタルですと、1週間待ったり、日程が弊社とは合わなくてずれてしまったり、調整も必要です。どうしても時間が遅くなってしまうのがネックでした。
高所作業車があることで仕事の幅が広がったので、今まで出来なかったことが、出来るようなったんです。すぐ出動できる部分が大きいと思います。例えば清掃やちょっとした修繕や改善など、今までできなかったことにも手が回るようになりましたね。
高所作業車の導入を考えたきっかけは何でしょうか?
クレーンなしで重量物をあげる時や、また、すぐ対応しなければならない事案に関して、何とか出来ないかと思っていました。
例えば、水漏れした時など、天井の配管にすぐアクセスできないことがありました。高所の作業は、外注頼みだったり、他工場より借りたりしていました。
他工場から借りていたのは、具体的には、テーブルリフターみたいなものでしょうか。
はい。ただ場所をとるのも問題でした。工場現場はスペースがあまりないので、運用が実用的ではありませんでした。コンパクトで、実用的なものがないかと思っていたときに、ちょうど高所作業車さんのお話をいただいたんですね。そこから、何社かお声掛けさせていただきました。
そうすると、メーカーをいくつか比較もされたのでしょうか。
(スノーケルは)まずリフトアップしながら走行できる点がよかったです。他社だとできない場合もありました。安全面を考えてのことなのでしょうが、やはり作業効率を考えると、高所にいながら移動ができるということは大事なポイントでした。あと、100ボルトのコンセントを、作業床から取れるという点がすごく大きかったです。作業床には最低限の用具の持ち込みで済むだけでなく、100ボルトのコンセントを高架から垂らすのは非常に危険だったので、安全な作業につながりました。あとはサイズ感と価格面ですね。価格だけを見れば、より安い製品もあったかもしれませんが、総合的に見てベストだと判断しました。高所作業車特別講習を無料で実施していただけたので、外部講習に行かずに済んだので助かりました。
コンパクトな所というのは、実際使ってみていかがですか。
大きすぎると、現場に入っていけないんですよね。(導入した製品は)ジャストサイズと言えるくらい、本当に良いサイズだと思います。
導入されてから約1年経過して、良い点・悪い点など、感想はありますか。
良い点は本当きりがないくらいです。まず、操作中に警報音が出るのは安全確保に役立っています。周囲に知らせるのはもちろん、一緒に乗っている同乗者も動きやすくなりました。走行中もピーピー鳴るので、みんな自然と意識してくれます。あと重複しますが、サイズ感、高さ、あと安定感があるので怖くないです。
中には、思ったより揺れるねっておっしゃる方もいらっしゃいますが。
慣れだと思うのですが、やはり最初は少し戸惑いましたね。他にもハンドル操作の扱いづらさなどもありましたが、今はもう慣れました。
あとは作業床に過負荷が起きた時に、作業床からでも降下させられる機能が欲しいです。基本は3人いて、1人は下を見てて、2人は乗って高所作業になるんですが、コスト面で見ると毎回3人というのが難しくて。休日出勤で職場の人数が限られていることもあるので、降りることだけでも手元でできたらいいですね。
操作については、私自身あまり触り慣れていないから戸惑った部分が大きかったと思いますし、やっぱり良いところしかないというのが本音です。本当に効率が良くなりました。作業の時間が短縮して、あとエイハンのサービスマンにはずいぶん熱心にいろいろ見ていただきました。彼が間にいてくれると心強かったです。買って終わりではない、アフターサービスの部分も満足しています。
先日、法定点検もやっていただいたと思うんですけど、点検内容や点検の結果の報告の仕方はいかがでしたか。ちょっとわかりづらいなという点があれば教えてください。
1年目ということもあり、そんなに大きな指摘はありませんでした。基本的には特にトラブルがないというか、悪い部分がない状態でしたので。長持ちというか、高所作業車に優しい維持の仕方とか、日頃こういうとこ気をつけてくださいとか、プラスで教えていただけるといいかもしれません。
今後お仕事的な展望というか、もっとこういうものを今後取り入れていきたいとか、こんなふうに持って行きたいとか何か考えてらっしゃることってありますか。
社員全体のボトムアップが一番の命題として掲げられてます。社内教育です。それを充実させたいっていうのがありますね。
「みんなで工場を守っていこう。設備を維持していこう」という意識を皆が持って、仕事できたら面白いじゃない!というのがありますね。
お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。